夜回り先生 水谷 修
公式ブログ

Osamu Mizutani Official BLOG

救えなかった夜

夜回りをしていると、

忘れられない夜があります。

 

直接出会った子どもだけではありません。

メールやSNSで、

相談をしてくる子どもたちもいます。

 

「つらいです」

「消えたいです」

そんな言葉が届きます。

 

やり取りを続けながら、

何とかつなぎとめようとします。

 

でも、

間に合わないことがあります。

 

あとから、

その子のことを知ることがあります。

薬を飲んでしまったこと。

オーバードーズだったこと。

 

あのとき、

別の言葉をかけていたら。

もっと早く気づけていたら。

そう思うこともあります。

 

けれど、

時間は戻りません。

 

夜回りは、

すべてを救える活動ではありません。

 

それでも、

あのとき届いた言葉は、

今も心に残っています。

 

救えなかった夜は、

忘れることはできません。

 

そしてその記憶が、

次の夜へと足を向かわせます。

 

同じ夜が、

今もどこかで続いています

私が最も子どもたちに言ったことば

私が、夜の世界の子どもたちに最も言ったことばは、「いいんだよ」

 

夜の世界の子どもたちは、昼の世界、家庭や学校に居場所をなくした子どもたちです。

 

いつも、「だめだよ」、「なにやってるの」と、昼の世界では否定され続け、偽りと嘘に満ちた夜の世界に最後の救いを求めている子どもたちです。

 

夜の街で、私が、「いいんだよ。今までのことは。よく生き残ったね」と声をかけると、ほとんどの子どもたちが、驚いた顔をし、そのあと涙を流します。

 

当たり前です。昼の世界では、いつも否定され続けてきて、ほとんど認めてもらったことがないのですから。

 

リストカットやODをしている子どもたちからの相談で、私が、「リストカットしてきて良かったね。ODしてきて良かったね。いいんだよ。切ったから今君は生きている。ODをしたから君のこころはパンクしなかった。でも、これからは、私と違う明日を作ろうね」こう言うと、ほとんどの子どもたちは、電話の向こうで泣きます。

 

多くの親や、先生、大人たちは、子どもたちの今を、特に問題を起こした子どもたちのしたことを、いとも簡単に否定し、非難します。

 

でも、子どもたちをそのようにしてしまったのは、だれなのでしょう。私たち、大人でしょう。

 

私は、どんな子どもも子どもたちのしたことも、否定できません。

ただ、「いいんだよ」と受け入れることしかできません。

 

その子どもたちと共に生き、違う明日を作ることしかできません。

あの子の沈黙

夜の街を歩いていると、

言葉をほとんど話さない

子どもに出会うことがあります。

 

声をかけても、

うなずくだけ。

何かを聞いても、

小さく首を振るだけ。

 

ある夜、

駅の近くの広場で

一人の子どもに出会いました。

 

まだ高校生くらいでした。

声をかけると、こちらを見ましたが、

何も言いませんでした。

 

寒い夜でした。

 

私は、その子のそばに立ち、

しばらく、同じ場所にいました。

 

何も話さず、

ただ同じ時間を過ごしました。

 

やがてその子は、小さく頭を下げ、

何も言わないまま歩いていきました。

 

子どもたちは、言葉にできない思いを抱えていることがあります。

言葉にすると、壊れてしまいそうな思いもあるのだと思います。

 

あの子が、何を抱えていたのか、

それは、今でもわかりません。

 

けれど、あの夜の沈黙は、

私の中に残り続けています。

 

今夜もまた、夜の街を歩いています。

たくさんの声が届いています

現在、クラウドファンディングを通じて、

多くのご支援をいただいています。

 

本当にありがとうございます。

 

それと同時に、

たくさんのメッセージが届いています。

 

「今、生きていられるのは先生のおかげです」

「あの時、話を聞いて前に進むことができました」

「今度は親子で、このプロジェクトに参加させてください」

 

一つひとつの言葉に、

胸がいっぱいになります。

 

これまで続けてきたことが、

確かに誰かの人生につながっていたのだと、

改めて感じています。

 

そして今も、

この活動を必要としている子どもたちが、

全国にいます。]

 

こうして届く声に支えられながら、

これからも歩みを止めずに

続けていきたいと思っています。

 

もしよろしければ、

この活動を知っていただけたら幸いです。

一つの声が、また誰かへ

昨日、ブログに書いた

一通のメッセージ。

 

あの頃、高校生だった少女が

今は親になり、

自分の子どもに言葉を手渡そうとしている。

 

その話を読んで、

また何人もの方が

メッセージを送ってくりました

 

「私もあの本を読みました」

 

「私も当時、救われました」

 

「今度は自分が

 誰かに伝えたいと思いました」

 

そんな声が

少しずつ届いています。

 

一人の想いが

また別の誰かへ届き、

 

その声が

さらに広がっていく。

 

人の想いは、

こうして

つながっていくのだと思いました。

 

子どもたちの未来のために。

今、

たくさんの方が

このプロジェクトを支えてくださっています。

 

本当にありがとうございます。