夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

あの子の沈黙

夜の街を歩いていると、

言葉をほとんど話さない

子どもに出会うことがあります。

 

声をかけても、

うなずくだけ。

何かを聞いても、

小さく首を振るだけ。

 

ある夜、

駅の近くの広場で

一人の子どもに出会いました。

 

まだ高校生くらいでした。

声をかけると、こちらを見ましたが、

何も言いませんでした。

 

寒い夜でした。

 

私は、その子のそばに立ち、

しばらく、同じ場所にいました。

 

何も話さず、

ただ同じ時間を過ごしました。

 

やがてその子は、小さく頭を下げ、

何も言わないまま歩いていきました。

 

子どもたちは、言葉にできない思いを抱えていることがあります。

言葉にすると、壊れてしまいそうな思いもあるのだと思います。

 

あの子が、何を抱えていたのか、

それは、今でもわかりません。

 

けれど、あの夜の沈黙は、

私の中に残り続けています。

 

今夜もまた、夜の街を歩いています。