2019.11.21
もうすぐ11月28日です
11月28日は、私にとって特別な日です。父のいない私が、父と慕った菅原文太さんの命日です。亡くなってから今年で5年の月日が流れました。
私にとって、菅原文太さんは、尊敬し敬愛する人でした。ですから、親父の言うことは絶対で、いつも親父の後を歩き続けていました。
そんな私が、一度親父に刃向かったことがあります。それを今日は書きます
親父は、いつも、今の日本を、そして日本人を、特に日本の若者たちを、嘆いておられました。長期的な明日への展望を持たず、ただ人気取りに走る政治家、他人のことや貧しい人のことを考えず、ただ今が幸せなら、楽しければと、ただその日を生きる国民、ちょっとしたことで明日を捨てふてくされ、あるいは心を閉ざし引きこもる、夢と輝きを失った子どもたち。
いつも、親父からは、ひたすら怒りのことばが続きました。私は、返す言葉もなく、こんな社会を作ってしまった一人として頭を下げ聞いていました。
あるとき、親父から、「こんな国は、一度壊せばいい。すべてを壊して、そしてそこから地に足をつけ、一人ひとりの人が、這いあげればいい」という一言が出ました。私は、その一言には、頭を上げ、そしてことばを返しました。「それだけは、勘弁してください。確かに、政治家も経済人も、国民も子どもたちも、腐っているかもしれません。だらしないと思われることも、よくわかります。でも、この国を混乱させたときに、一番つらい思いをし、そして苦しみ、その被害者となるのは、こんな国にしてしまった、私たち大人ではなく、何の罪もない子どもたちです。壊すのではなく、ゆっくりと時間がかかっても、少しずつ、この国や国民、子どもたちを変えていくこと、私は、その道を選びたいです」
みなさん、「破壊」はたやすいことです。目の前の荒れ地を、ブルドーザーを使って、踏みつぶし、平らに整地することは簡単です。でも、そこに何が残るのでしょう。目の前の荒れ地の雑草をていねいに、とても手はかかりますが、日々、そして年月をかけて、雑草を抜き、でも、美しい花は残して整地していけば、いつかは、そこはすてきな花畑になるでしょう。
確かに、今の政治や経済は混乱し、そして私利私欲におぼれているように見えます。でも、政治家の中にも経済人の中にも、そのことにこころを痛め、明日のために動いている人はいます。確かに、大人たちも子どもたちも、自分のことしか考えず今が良ければと、ただ自己中心に動いているように見えます。でも、その人たちのこころの中にも、これではいけない、なんとかしなくてはならないという想いはたくさんあります。「破壊」は、悪いものもなくしますが、同時にいいものをもつぶしてしまいます。
みなさん、今私たちの国に求められているのは、「破壊」ではなく「反省」です。私たちの社会の間違えているところは、謙虚に反省し、すみやかに痛みを伴っても変える。私たちのこころの中の、醜い部分は、自らそれを切り捨てる。
首相はじめ、多くの政治家の人に言いたい。みえみえの嘘や欺瞞はすぐに止めて、まずは反省し、真実をきちんと国民に語って欲しいと。この国を破壊し、子どもたちを哀しみの底に追い込まないように。
