夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

死を語る子どもたちへ

子どもたち、君たちは自分に自信がありますか。

 

今私は、自分に自信を持つことのできない子どもたちが増えていると感じています。当然だと思います。今、日本の多くの子どもたちが、家庭でも学校でも、いつも、「こんなこともできないのか」、「何をやっているんだ」、「こんな点数をとって」、「のろのろしない」、「しっかりしろ」、「がんばれ」などと、今の自分を否定され続けています。これが続けば、「自分はだめなやつだ」、「どうせ何をやってもむだ」、「自分なんていないほうがいいんだ」などと、自分の存在自体を否定的に考えてしまうでしょう。すべては、親や先生、私たち大人の責任です。私のもとには、このように育てられ、生きることの意味を見失った多くの子どもたちから、相談が来ます。みんな哀しいメールです。

 

 子どもたち、君たち一人ひとりに聞きたいことがあります。特に自分に自信を持つことのできない子どもたちに。君たちは、そんなにだめな人間なのですか。私は、そうは思いません。子どもたち、私はかつて、大震災の被災地、宮城県石巻市に行ってきました。そこで、ある宗教団体の青年部の若者たちが、必死にがれきの片付けや被災した家の中の掃除をしていました。からだの大きい体力のある若者たちは、がれきの片付けを、女の子たちは、家の掃除をしていました。中には車いすの若者もいて、彼は、家の前の道路に直に座り、家から運び出されたゴミの中から、写真や使えるものを選別し、段ボールにつめていました。

 

みんなに、「つらいかい」と聞いたら、彼ら全員が首を横に振りました。うれしかったです。彼ら一人ひとりが、自分への自信で輝いていました。子どもたち、特に悩んでいる子どもたち、なぜ彼らが生き生きと輝いていたのかわかりますか。それは簡単です。自分たちが、困っている人たちのために何かをしている。それがきっとだれかを幸せにできる。自分たちの存在は、人のために役立っている。こう彼らが、自分自身について考えていることが、彼らの自信につながっているのです。

 

 子どもたち、君たち一人ひとりは、宇宙にたった一人しか存在しない大切な宝物です。また、君たちは、洋服は変えることができても、君たち自身を捨てることはできません。自分から逃げることはできません。

 

まずは、子どもたち、人のために、何かをしてみよう。道路のゴミを拾う。バスや電車でお年寄りに席をゆずる。友達にやさしいことばをあげる。なんでもいいんです。返ってくる「ありがとう」のことばが、君たちに自分自身への自信を、生きていることの意義と意味を必ず教えてくれます。多くの人が待っています。

 

また、お願いです。

今、死を語り死へと向かう子どもたち。

 

私の新刊、「もうすぐ死に逝く私から、今を生きる君たちへ」、来週には、書店の店頭に並びます。それを読んでみてください。そこには、人はなぜ生きなくてはならないのか。自ら死を選んではいけないのか。その答えがあります。

 

死は、自ら語り求めるものではありません。いずれ自然に来るのですから。人に許されるのは、今、生きている今をどう生きぬくか。それしかないのです。また、そこに、人の最高の幸せがあるのです。