2021.02.28
本当の幸せとは
今、多くの人たちが明日を夢みることができなくなっています。
先日、夜回りをしているとき、一人の客引きをしている若者から、声をかけられました。「夜回り先生だろ。俺が高校生の時、先生の講演、学校で聞いた。感動した。未だに、夜回りやってるんだね」私は、彼と、話をしました。
彼は、ギャバクラと呼ばれる風俗店の客引きで、お客を一人取るたびに手当をもらう仕事をしているそうです。私は、彼に言いました。「昼の世界に戻ろう。いつまで今の仕事をしても明日はないだろう」彼は、私に言いました。
「先生、うちの親父は、中卒。鉄工所で、朝から晩までまじめに働いてた。それも、少しの給料で。でも、不況で、会社が潰れ、退職金もなし。今は、毎日酒浸り。先生、まじめに生きたってそんなもんだよ。俺は、今、日に3万円は稼ぐ。おやじよりたっぷりと。今が良ければそれでいいんだ」哀しくなりました。
私は、夜の町で、彼のように考える若者たちとたくさん出会ってきました。どうせ、まじめに働いたって、良いことなんかない。だったら、今が楽しければそれでいいと考える若者たちと。
でも、彼らがこう考える原因は、私たち大人にあると考えています。今、大人たちが、疲れています。そして明日を見失っています。
みなさんは、どうですか。夜、子どもたちに、疲れた姿を見せていませんか。子どもたちの前で、つらさや厳しさを愚痴ってはいませんか。
これも、無理はあのません。バブル経済が崩壊して以来、私たちの国、日本は、ずっと不況。経済的にも社会的にも、閉塞状況が続いています。しかも、この新型コロナウィルスの感染拡大の中でのさまざまな自粛要請の中で、政府の政策で、確かに物価も金利も上がりませんが、給料は上がらず、それどころか下がり続けています。また、多くの中小企業が倒産しました。
多くの大人たちが、笑顔を失い、いらいらする気持ちはわかります。しかし、そんな大人たちを、日々目にする子どもたちは、どう育っていくのでしょう。私が、夜の町で出会った、あの若者のように、明日を捨て、今をただ刹那的に生きる人となってしまうのではないでしょうか。
みなさんに、お聞きしたいことがあります。幸せとは、みなさんにとって何ですか。朝元気に目覚めること、幸せではないですか。家族と毎日夕食を一緒に食べることができること、すごく幸せではないですか。今生きていて、多分間違いなく明日も生きていると確信できること、すごい幸せではないですか。
実は、幸せは、いつも私たちの周りに数え切れないほどあるものです。ただ、私たちが、それに気付けば良いのです。みなさん、お願いです。今日は、自分の周りにある幸せを、一つずつ、数えていって見てください。きっとみなさんの顔に笑顔が、みなさんのこころに希望が浮かんできます。そして、その希望に溢れる笑顔を、子どもたちに見せてください。今手にしているたくさんの幸せを語りながら。それが、子どもたちのこころに、明日への希望と夢の種となります。
