2020.06.28
人はなぜ生きるのか 2
今回は、一冊の本を通して、「人はなぜ生きるのか」について書きます。
その本は、三浦綾子さんの「塩狩峠」です。
私は、少年時代から数限りない本を読んできました。みなさん、どうですか。私にとって、読書は、人生そのものでした。触れあった多くの本から、人としての生き方、人生の過ごし方を学び続けてきました。そんな私が、最も涙を流し、感動し、それからの人生に影響を受けた本、それが、この本です。
私は、今から十九年前に、「夜眠れない子どもたち」の存在に気づきました。暗い部屋で明日を見失い、そして自らを否定し、傷つけ、死へと向かう子どもたちが、私たちの国日本に、たくさん存在することに気づきました。
そして、今から十六年前に「夜回り先生」という本を出版し、私個人のメールアドレスをあらゆるメディアで公開しました。苦しんでいる子どもたちの明日を拓くための何かができないかと。それ以来、メール相談の数は、百二万件を超え、関わってきた子どもたちの数も、すでに五十二万人になろうとしています。
私は、この間、「死にたい。死にたい。助けて」、「リスカットが止められない。助けて」、「虐められてる」、「虐待されてる」と無限に続く相談メールに、返事を書き続けてきました。その返事は、ただ一つ、「人のために何かしてごらん。明日はきます」でした。私が、こう返事し続けたのは、私が、青春時代に、この本と触れあったからです。
私のもとには、子どもたちからの「人は、なぜ生きなくてはならないの」というメールが、たくさん届きます。みなさんは、どう答えますか。答えることができますか。私は、いつもこう答えます。「だれかを幸せにするために」と。私は、これを、この本から学びました。
人はいったん生を受ければ、ただひたすら死に向かって歩みはじめます。死を逃れることは、だれにもできません。私たちの宿命です。確かに、どうせ何をしても自分は死ぬんだとぐれる人もいます。まずは今が楽しければ、幸せならと、死を見ないように、考えないようにして、日々を生きる人もいます。
しかし、この本の主人公は、この宿命をすべて自然に受け入れ、あらがうことなく、ただ自然に優しく生きていきます。いつも、だれかのために、だれかを幸せにするために、自分の人生を生きていきます。
そして、最後には、自分のいのちを捧げてまで、だれかのために、生きぬきます。この本は、まさに私の人生を変えた一冊です。
私は、彼の生き方を理想として、今まで生きてきました。これからも、いのちをかけてもそう生きていきます。みなさん、読んでみてください。そして、たくさんの尊い涙を流してください。きっと、それからの人生が変わります。
