夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

自分は自分でしか救えない

今回は怖いことを書きます。書かせてください。みなさんに聞きたい。人を殺したことがありますか。まず、ないでしょう。

私は、すでに321人の命を奪っています。殺しています。65人は、薬物の乱用者・・・。今まで私の元に、一万人を越える薬物の魔の手に捕まった子どもたちが救いを求めてきました。ある子は警察に、ある子は我が家に、ある子は病院に・・・。65人の命を私は奪いました。245人は、こころの病で・・・。11人は殺人を犯しました。

神でもない私が、大切な子どもたちの人生を変え、死にまで至らせています。許されることではありません。薬物で亡くした65人の子どもたちのうち、32人は、今の私なら、現在の環境なら救うことができました。でも、間に合わなかった。

わたしが、このことを書いているのには理由があります。私の元には、「先生大切な人を救えなかった。殺してしまった。死にたい」というメールがたくさん来ます。連絡をとり、事情を聞くと、ほとんど全てが、ネットやメールで知り合い、相談にのってきた友人の自殺に苦しみ、救えなかった自分を責めているケースです。

私や私のスタッフは、毎晩のようにネット上のメンタル系サイトや自殺系のサイトを監視しています。そして、頭を抱えています。「過去のいじめで苦しい。死にたい」という書き込みに、「どんな風に虐められたの。ひどいね。つらいね」というように、相手のつらさをわかろうとし、そして聞いてしまう書き込みがほとんどです。聞いてしまうこと自体が、相手にとっては、自分の苦しみを再確認することになってしまうのに。そして、最後は「私がついてます。頑張ろうね。死なないで」と答えてしまう。人は誰かに一生ついていることはできないのに。また、このようなサイトに入ること自体が、その人が苦しみやつらさを抱えているからですから、相談にのっている内にさらに自分が、つらく、苦しくなってしまう。哀しみが哀しみを生み出し、苦しみがどんどん増していき、最後には、どちらかが耐えきれなくなります。

みなさん、お願いです。人を救おうとしないでください。特にメールやネットで。絶対に救うことはできません。むしろ相手を追い込んでしまいます。人は誰でも、自分自身で自分を救わなくてはならないのです。

みなさん、だれかに代わりにトイレに行ってもらうことができますか。食事をしてもらうことができますか。トイレも食事も、自分でしなくてはならないでしょう。それと同じく、自分を救うことは、その人自身しかできないのです。

私は、死や過去の苦しみを語るメールや電話には、こう答えています。「人のために何かしよう。帰ってくるありがとうの一言が君の明日を作ります」、「美しいものいっぱい探そう。見よう。触れよう。君のこころに明日作ります」