夜回り先生 水谷 修
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喜怒哀楽

私は、このところその時その時の自分の感情を、すなわち喜怒哀楽をきちんと外に出すことができない人が増えていると感じています。大人たちはもちろんですが、子どもたちもです。そして、その時々の哀しみやつらさをこころにため込み、一人苦しみ、そして、外に対して暴力や暴言などで爆発してしまったり、逆に自分の中で溜め込みすぎ、こころの糸が切れてしまい、こころが病んでしまったり、リストカットの自傷に走り、ついには自らいのちを絶ってしまうことすら起きています。こころは、風船と同じです。溜めこみすぎれば、破裂してしまいます。

みなさんは、どうですか、日々喜怒哀楽をきちんと外に出すことができていますか。喜びや楽しさを、ことばだけでなく、笑顔やからだの動きで、回りに示していますか。嫌なことがあったときは、きちんと怒り、悲しいときは、きちんと泣いていますか。嬉しいとき、楽しいときは、きちんと笑顔を、回りに出していますか。まずはできていないはずです。でも実は、この喜怒哀楽をきちんと表現することを、私たちは、自然と産まれながらに知っていて、身につけています。どうぞ、赤ちゃんたちを見てください。小さな子どもたちを見てください。彼らは、とても上手に時にわがままに、その時々の感情を、ストレートに表現しています。彼らは、そうやって自分の小さな小さなこころに、感情をため込まず発散しています。ところが、これが、大人になるにつれできなくなってしまいます。

これには、日本の文化が原因としてあると考えます。日本では、歴史的に、自分の感情をストレートに外に出すことを恥としてきました。どんなにつらくても悲しくても、耐えること我慢すること、また、どんなに嬉しくても楽しくても、それを見せないことが美徳とされてきました。日本人は、外国人と比べて、感情をきちんと表現することが苦手に民族です。そして、それがこころのストレスとなり、爆発してしまい、急に感情的になってしまったり、逆にこころを壊し病んでしまう原因となっていると、私は、考えています。

みなさん、きちんと自分の感情を外に出してみませんか。まず、喜びや楽しみは、ストレートに笑顔や声で、家族や周りの人に伝えてみませんか。会社や学校でいいことがあったら、満面の笑顔で家に帰り、すぐにその楽しかったこと嬉しかったことを、みんなに伝えるのです。嫌なことがあって怒っているときや哀しみにつぶされそうになっているときも、大声ではなく小さな声で、その怒りや哀しみを周りの人に伝えましょう。決して、ネットやメール、携帯電話ではなく、直接に。きっと、それを受け止めてくれる人がいます。それが、こころの怒りや哀しみを軽くしてくれます。

もう一つお願いがあります。こころが喜びで満ちているときは、どんな服装でもいいのですが、こころが、哀しみや怒りで満ちているときは、明るい色の服を身につけてみてください。少しかもしれませんが、必ず気分が晴れます。そして、家に閉じこもらず、外に出て、美しい自然と触れあってください。哀しみや怒りが、少しずつ解けていきます。

みなさん、人間のこころは、とても単純なものです。それを深く考えてしまうから悩み苦しむのです。答えが出ないから悩み苦しんでいるのに、それをさらに、答えを求めて考えてもそこには救いはありません答えは出ないのですから。まずは、考えることを止めて、一歩外に出ましょう。明るい色の服で。美しいものを探して。