2020.04.13
若者たちへのメッセージ
若者たちへのメッセージです。
子どもたち、私は、高校の教員生活のほとんどを生徒指導の担当として過ごしました。学校の校則やきまりをきちんと守るように指導し、守らなかったら指導する仕事です。クラスの担任が、いつも生徒たちの側にいて生徒たちを暖かく守る母親役の教員だとすれば、生徒指導の教員は、厳しく生徒たちを指導する父親役の教員です。でも、私は、たぶんだめな生徒指導の教員でした。私は、二十二年の高校教員生活の中で、一度も生徒を叱ったことはありません。厳しいことばを使ったことも、当然体罰を与えたこともありません。
子どもたち、君たちに聞きたいことがあります。たとえば体育館で始業式を行うとき、がやがやと話をしていれば、まず間違いなく、生徒指導の担当教員から、叱られるでしょう。「静かにしろ」、「体育館から出すぞ」、中には「成績をさげるぞ」こういう教員もいるかもしれません。そして、君たちは、静かにする。でも、なぜ、静かにするのですか。教員に叱られるからですか。体育館から出されるからですか。成績を下げられるからですか。哀しいことです。何人かが体育館で騒いで、式を始めることが五分遅れたとします。それは、体育館にいる他の生徒たちの貴重な時間を五分奪ったことになります。他人に迷惑をかけたことになります。人に迷惑をかけないよう静かにしなくてはならないのです。
子どもたち、君たちを叱って、そして脅して、規則に従わせることは、簡単です。でも、それは、教育なのでしょうか。どんなに時間がかかろうと、君たちに、なぜ、そんな規則があるのか、また一つひとつの規則を守ることの意味をきちんと伝えて、君たち自身がそれを理解し、自らすすんで規則を守るようにすることが、本当の教育だと私は考えてきました。これは、学校の中でだけではありません。家庭でも社会でもです。
子どもたち、私たち人間は、たくさんの規則に縛られて日々の生活をしています。特に君たち子どもたちに対しては、大人より数多くの規則があります。君たちの中には、それに窮屈さを感じる人もいるでしょう。そんなもの守るかと、勝手に生きている人もいるでしょう。でも、それらの規則はなぜ作られたのでしょうか。君たちに嫌な思いをさせて、君たちを大人の思うとおりにするためでしょうか。それは、違います。君たちを守り、君たち一人ひとりを大切にそして安全に成長させるためです。子どもたち、一台の車が、道路を、信号や制限速度、一時停止などのすべての規則を破って、暴走したらどうなりますか。事故が起き、死者がでるでしょう。暴走した本人の命も失われるかもしれません。
子どもたち、今新型コロナウィルスの感染拡大の中で、緊急事態宣言が出されています。未だその指定の地域は、一部の都府県ですが。そして、外出の自粛を必死で政府は国民に求めています。ただし、もし君たちが、自分の自由だと外出したとしても、それを罰せられることはありません。
そのような中で、一部の若者たちが、昼間友人と会ったり、あえて夜の町に出たり、カラオケに行ったりしているようです。たしかに、感染するしないは、君たち自身が勝手に決めることができます。しかし、今回の病は感染症、つまり君たちが、自分の勝手と、遊び回って感染したウィルスを、自分の周りの人たちにうつしてしまう危険性を持つものなのです。自分だけの問題ではないのです。
子どもたち、お願いです。この問題が永遠に続くことはありません。今は、政府の指導に自ら従って、家に閉じこもりましょう。そして、できたら、未来に続く長い人生のために、有効に時間を使いましょう。
