夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

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あるアンケート調査が新聞に発表されました。アジア諸国の中高生に「最も心の安らぐ場所は?」と質問した結果です。
シンガポールでは80パーセントが「家庭」と答え、貧富の差が激しいフィリピンでも64パーセントがそう答えている。一方、日本で「家庭」と答えたのは、中学生で14パーセント、高校生で6パーセントしかいません。
今、日本の子どもたちは四つの大きな問題を私たち大人に突きつけています。それは「いじめ」「不登校・ひきこもり」「心の病・自殺」「非行・犯罪・薬物乱用」。これらの問題の背景には、家庭や社会のイライラが大きく関係していると私は考えています。
イライラして攻撃的な社会になった背景には、1991年に起きたバブル経済の崩壊があるのではないでしょうか。いまなお不況の影響は大きく、多くの人がリストラや転職、給料の低下を余儀なくされています。夫の収入だけで立ち行かなくなった母親は、幼い子を家に残し、あるいはどこかへ預けて、働きに出なくてはならなくなっています。
父親が会社で溜めたイライラがDV(ドメスティック・バイオレンス)となり、そのイライラの連鎖で母親が子供に当たり散らす。この負の連鎖が、多くの家庭で起こっています。
みなさんの家庭では、子どもたちを褒める数と叱る数とどちらが多いですか。
かつて先人は「子供は十褒めて一叱れ」と言いました。十褒める中で心を通わせ、自己肯定感を持たせ、一つの短所を丁寧に直していく。しかし、いまの多くの親や先生は、十叱って一も褒めない。これが子供たちを追い詰めている原因だと、私は考えています。
「良いところはたくさんあるが、悪いところが少しあるから、それを叱ってもっと良くしたい」と言う人がいます。しかし、良いところは褒められなければ気がつかない。良いところは自分で分かっているだろうと思い込み、悪いところばかり見ていると、子供は夜の世界に入り、仲間をいじめ、不登校やひきこもりになり、自らを傷つけて死へと向かってしまいます。
子供は親や大人から受けた優しさや愛、語りかけられた希望の言葉が多いほど、非行や犯罪、心の病から遠ざかるのです。

現在日本では、新型肺炎の流行により、ほとんどの学校が休校となっています。そして、多くの子どもたちが、家の中で閉じこもらざるをえなくなっています。その家庭が、ぎすぎすしたものだったら、子どもたちは、どうなってしまうでしょう。

金曜日と日曜日、そして、長期の学校の休業期間は、子供の命を救う活動をしている者にとって“魔の日”。つまり、日本で最も児童・生徒が自殺をしている期間です。金曜日は、学校でのいじめや教師との問題が5日分溜まって、夜苦しくなって眠れない日。私の元へ届く相談メールの数が一桁多いです。日曜日は、そんな地獄が始まる前日だからです。また、夏休みなどの長期の休みの期間は、翌日の学校がありませんから、夜更かしし、家庭の中で、しかも暗い夜の時間に、それまでのいじめや対人関係について悩み続けてしまい、その苦しさの中で、問題行動にはしってしまう期間です。

皆さんにお願いしたい。子供たちに1日10個は美しい言葉や優しい言葉をかけるような家庭づくりを心がけてください。そして、おじいちゃんやおばあちゃんからは、週に一二度で良いですから、夜、遠くに住むお孫さんへ電話をかけてほしい。

そして、子どもたちのことを、心配し愛している人がいることを、ぜひ子どもたちのこころに刻み込んであげてください。