2020.03.03
自分を知る
みなさん、お願いがあります。今すぐ、自分の顔を見てください。ただし、何の道具も使わずに。できるわけがありません。鏡を使わなければ、私たちは自分の顔を見ることはできません。しかも、鏡に映ったみなさんの顔は、他の人が見ている顔とは違うものです。左右が逆になっています。もし、ビデオや写真を使って、みなさんの姿を撮り、それを見れば、他の人が見ているすがたや顔を、はじめて見ることができます。私たちは、何か道具を使わなくては、自分の顔やすがたを見ることはできません。
みなさん、これは自分自身についてでも同じです。自分がどういう人間なのか、自分の良いところ、悪いところ、これらも、他の人が、あなたについて、どう考えているのか、感じているのかを知ることなしに、理解することはできません。
子どもたち、私のところに相談してくる多くの子どもたちが、自分のことを自分だけで考え、自分はこういう人間だと決めつけ、そして自身を失い苦しんでいます。「親から叱られてばかりいる。自分は、だめな人間だ。死にたい」、「友だちが、離れていった。自分は、きっと嫌な人間なんだ」、「自分のことを、だれも理解してくれない。自分なんていなくていい存在なんだ」・・・、私のもとには、たくさんの子どもたちからの悲鳴が届きます。
私は、そのたびに答えています。「周りにいる家族、友だち、先生に、自分のことを聞いてごらん。自分がそんなにだめな人間なのか、嫌な人間なのか、きちんと聞いてごらん」多くの子どもたちから、うれしい返事が返ってきます。「先生、お母さん、パートで上司とうまくいかなくて、いらいらしていたんだって。ごめんねって泣きながら謝ってくれた」、「先生、友だち、成績のことで親から叱られて、落ち込んでたんだって。友だちのほうが苦しんでた。支えてあげるんだ」、「担任の先生が、お前にはこんなにたくさんいいところがあるんだって、いっぱい教えてくれた」・・・。
みなさん、特に子どもたち、自分のことをただ自分だけで考えて苦しむこと止めよう。そこには、答えはありません。ただ、悩みと苦しみしかない。いつも、自分で考えたことや、自分がしようとしていることを、だれかに相談する勇気を持とう。そして、返ってくることばで、もう一度考え直そう。
そうだ、新型肺炎で、全国のほとんどの学校が休みになりました。この時間を使って君たちの家族みんなで、それぞれの良いところ、悪いところ、変えなくてはいけないところを、じっくりと話し合ってみよう。そして、家族の目に、自分がどう映っているのか、どんな性格だと考えられているのかをきちんと知り、自分を変えてみよう。明日のために。
