2020.01.11
脳に栄養を
みなさん、私は、数年前から家庭菜園に挑戦しています。自宅の小さな庭の一部を、煉瓦で囲み、畑を作りました。畑といっても、猫の額ほどの小さな小さな畑です。今年の冬には、土に腐葉土や牛糞をすき込み土作りをし、春には、苦土石灰を土に混ぜ、酸性の土を中和し、そして種まき、苗の植え付けをします。大好物の春菊は、種で蒔きます。パセリやセロリ、いろいろなハーブ、トマトは、苗を買ってきて植えます。それぞれの芽や苗に、名前をつけて、水やり、虫取りと、ていねいに育ててきいます。
みなさんにしてほしいことがあります。今すぐに家から出て、近くの土をひとつかみとってきてください。そして、それを、白い紙の上に広げてみてください。もともとの土は、地球を構成する岩石が、風化や浸食によって、細かくなったものや、火山の噴火でまき散らされた火山灰からできています。これらには、なんの有機物質、つまり栄養も含まれていません。この土に、灰や落ち葉、動物の糞などの有機物質が入り、はじめて、植物を育てることのできる豊かな土となるのです。人類の農耕の歴史が始まって以来、私たちの祖先は、この豊かな土作りに、つねに取り組んできました。
私は、私たちの脳も、土と同じだと考えています。なんの栄養も入れることなく、ただ日々遊び回って、その日暮らしで生きていれば、栄養のない土と同様に、なにを生み出すこともできません。多くの人とふれあい、彼らから、彼らの知識を学び、また、多くの本から、先人たちの知恵を手に入れ、多くの出来事と逃げることなく向き合いそして、考え行動し、その結果から多くの経験を手にすることを通して、脳の中にたくさんの知恵や知識、経験という栄養をためて、はじめて私たちの脳は、その活動をはじめます。そして、幸せな人生という、最高の糧を手に入れることができます。
そういえば、土と脳では、一つだけ違うことがあります。それは、土の中の栄養は、どんどん植物に吸い取られていって、減っていきます。ですから、つねに補給してあげなければ、よい植物は育ちません。でも、脳の中の、知恵や知識、経験は、どんなに詰め込んでいっても溢れることはなく、しかも、どんなに使っても減ることはありません。それどころが、使えば使うほどさらに増えていきます。みなさん、脳に栄養を。
