夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

子どもたちへ

君たちにとって、今年は、どんな一年でしたか。新しいクラスや学校で、友だちが、たくさんできて、とても楽しい一年だった人もいるでしょう。良い先生との出会いで、勉強が楽しくなり、ただひたすら机に向かい続けた人もいるでしょう。でも、その一方で、いじめやさまざまな理由で、学校に通えなくなり、ただ部屋で寂しく過ごした人もいるでしょう。ゲームや夜遊びにはまり、親と一年中ぶつかってきた人もいるでしょう。ふてくされ、悪の道に入り、今、少年院や施設で厳しい年の瀬を迎えている人もいるでしょう。子どもたち、この一年が君たちにとって、どのようなものであったとしても、その一年があと少しで終わります。そして、新しい一年が始まります。しかも、その一年は、君たち自身が、自分の手と努力で作り上げるものです。

子どもたち、私たち日本人は、先祖代々、新年を迎えることを、とても大切にしてきました。年の瀬には、家じゅうを大掃除、他人から借りたものを返し、そして、おせち料理を作ります。きれいな一年を迎えるためです。大晦日には、まずはお風呂で、一年の汗と垢をきれいに落とし、新しい下着を身につけ、そして礼装、君たちの場合は制服を着て、お寺にお参りし、新年を除夜の鐘で迎えます。子どもたち、なぜ除夜の鐘が百八つ鳴らされるのか知っていますか。人が生まれながらに抱えている煩悩、すなわち悩みや苦しみの数だと言われています。それを鐘の音に託し天へと放ち、新たなこころで一年を迎えるためだと、言われています。そして、元旦の朝には、初日の出の陽光を全身に受け、この一年の無病息災と繁栄を祈り、それから、近くの氏神さま、つまり君たちの住んでいる土地の神さまの社に、初詣をします。その後、家に戻り、家族みんなでおせち料理を囲みながら、新年を祝います。私は、子どもの頃から、このように新年を迎えてきました。

子どもたち、今日本じゅうで、この大切な新年のしきたりが忘れられています。哀しいことです。子どもたち、特に今年、苦しいことやつらいことが多かった子どもたち、家族みんなでではなくてもいいです。一人ででもいい。このように新年を迎えてみませんか。まずは、すぐに自分の部屋の掃除です。模様替えもしてみましょう。新たなるすばらしい年のために。そして、大晦日には、夕方お風呂で、一年間の垢を落とし、夜は近くのお寺に、百八つの鐘の音に、すべての今年のつらさ哀しみを乗せて、天に放ち、その後は、近くの氏神さまに。今年が、いい年になるよう祈ってみましょう。

子どもたち、新たなる年の第一歩、そうして自分で歩き始めよう。明日のために。