2026.02.18
私は、だれ一人救っていません
私は、36年間夜の世界を這い回り、また、この二十年間は、家では、メールや電話での子どもたちからの救いを求める声に応え続けてきました。
一人の子も死なさないはずの戦い、でも、すでに405名の尊い命を失っています。
何度も、夜の世界から昼の世界に戻ろうと考えたことはあります。一つの命をしなうたびに、「夜回り」を止めよう、相談を受けることを止めようと思いました。それでも、続けてきたのは、私の元に届くたくさんの「ありがとう」のことばのおかげです。
かつて関わった子どもたちからの、「今は、幸せです」、「生きてて良かった」、「先生ありがとう」。これらのことばが私を支えてくれました。
よく、私にこういう人がいます。「先生は、たくさんのこどもたちを救ってきた」と。そのたびに、私は、こう答えています。「私は、だれ一人救っていません。ただ、一人ひとりに、その時々、全力で寄り添ってきただけだ」と。
人は、人を救うことなどできません。人は、自分で自分を救わなくてはなりません。私は、その手伝いをしてきただけです。また、それを、死ぬまで繰り返していくだけです。
