夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

子どもたちへ—No.31

 子どもたち、自分とは何でしょう。君たちの中には、毎日この問で苦しんでいる人も多いと思います。

 

 まずは、自分の姿を考えてみましょう。暗闇で君たちは自分の姿を見ることができますか。できません。昼の光の中ですら、鏡や水面の力を借りなくては、自分の姿を見ることはできません。しかも、もし君たちが自分を映した鏡にゆがみがあったら、どうなるでしょう。君たちは、今までの人生できちんとした鏡で自分自身の姿を何度となく見ています。ですから、鏡がゆがんでいるとすぐにわかり、きっと苦笑いするでしょう。でも、もし生まれたときからゆがんだ鏡で自分を見続けていたらどうなるでしょう。その姿が本当の自分の姿だと思いこんでしまいませんか。

 

 子どもたち、今度は君たちの性格やこころについて考えてみましょう。もしも、君たちが生まれてから今までずっと、「駄目な奴だ、どうしようもない奴だ」と言われ続けたらどうなるでしょう。きっと、本当に自分は存在する価値もない人間なんだと、こころを閉ざし、しゃがみ込んでしまったり、もう自分なんてどうなってもいいとふてくされてしまうでしょう。

 

 子どもたち、君たちは、自分というのは、自分で作るものだと思っていませんか。実は違います。自分は、その時代や周りの環境、接する人たちや経験によって作られていくものです。まさに今の君たち自身がそうやって作られたものです。君たちは、この世に真っ白なこころで生まれてきます。それが、生きていく日々と経験の中で、染められていき、そして、今君たちが、自分自身と考えているものになっています。

 

 今日、この日まで幸せな日々を過ごし、優しい両親や先生に恵まれた子どもたちも多いでしょう。でも、環境や親に恵まれず、いい先生たちとの出会いも、いい友人との出会いもなく、こころを汚されてしまった子どもたちも、数多くいるでしょう。自分を、駄目な人間だと追いつめ、明日を求めることを止めてしまった子どもたちも、たくさんいるでしょう。

 

 その子どもたちにお願いがあります。過去のそして今の自分を捨ててみませんか。そして、明日から、もう一度すべての先入観や自分自身の思いこみを捨てて、新しい環境に出てみませんか。新しい人たちとの出会いを作りませんか。洋服の趣味も変え、言葉遣いも変え、行く場所も、行く時間も、つきあう人もすべて変えてみませんか。そして、明日を、自分を、一から作り直しませんか。苦しんでいる子どもたちへ、今までの自分を捨てることで、苦しみから逃れることができます。明日が自然にやってきます。新しい明日が。