夜回り先生 水谷 修
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Osamu Mizutani Official BLOG

子どもたちへ No.23

 私は、いつも、町を歩いたり電車に乗っているときに、子どもたちのことを見つめています。そして、このごろ気になっていることがあります。

 

 それは、何か気力を失い、ぼおっとしている子どもたちが多くなっていることです。目は、何を見るでもなくうつろで、耳も何か美しい音を探そうというふうにそばだたず、肩からは力が抜け、何か疲れ果てて空ろな子どもたちの姿ばかりが目に入ります。哀しいことです。

 

 子どもたち、君はどうですか。昨日一日を思い出してください。いくつ美しいものを見つけましたか。いくつ美しい音を聞きましたか。からだを動かし何かを人のためにしましたか。

 

 子どもたち、お願いがあります。今すぐに自分の回りを見回してください。そして、何か興味を引くもの美しいものを十個探してみて、目の前に置いてみてください。それが済んだら、もう一つお願いです。耳を澄ましてください。そして、自分の回りのいろいろな音を、注意深く聞き分けてください。人の声、車の音、音楽、足音・・・。いくつの音を見つけましたか。さて、それでは最後にもう一つお願いです。君の周りにあるものを、一つまた一つと触ってみてください。暖かいもの、冷たいもの、固いもの、柔らかいもの・・・。

 

 子どもたち、人は、日々、一つの人生を生きています。目覚め、それは生、そして、一日を生き抜き、そして夜眠る。これは、ある意味での死です。これを繰り返しながら、人生を作っていきます。必ず誰にでも訪れる死に向かって。

 

 子どもたち、人が本当に生きるということは、動くことです。何かを、その時々に見抜き、そして聞き分け、触れあい、別れ、何かをすることです。ただ、何もせず、ぼおっと日々を過ごすことは、寝ていることと同じ、ある意味で死んでいることと同じではないですか。

 

 子どもたち、空気は私たち人間にとって生きるために必要不可欠なものです。でも、いつも回りに必ずあるのに、感じることはありません。この大切な空気をどうしたら感じることができますか。簡単です。手を動かせばいいんです。

 

 美しいものも、優しさも、明日へのさまざまなチャンスも、希望も、実は、君たちの回りに数え切れないほどあります。でも、今多くの子どもたちが、これを、自分から動いて探そうとしていません。哀しいです。

 

 見よう、多くのものを。たくさんの美しさが君の前に。聞こう、多くの音を。たくさんの素敵なこころ安らぐ音が君たちの元に。求めよう、優しさを。多くの明日への優しさが君の元に。子どもたち、生きるということは、求めるということ。求めるということは、自ら動くということです。動こう、明日へのために。