夜回り先生 水谷 修
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薬物乱用は、犯罪か病気か

有名な俳優が、大麻の所持と使用で逮捕されてから、数多くの相談が来ています。その多くは、未成年の乱用者の親からの相談です。

 

薬物乱用は、犯罪か病気か。当たり前のことですが、薬物乱用は、日本の法律で禁止されている薬物を使用すれば、当然犯罪ですし、また乱用を続ければ、依存症という病気です。

 

問題なのは、薬物乱用について、一に犯罪、二に病気と考えるか、一に病気、二に犯罪と考えるかです。

 

薬物依存症の治療や回復に当たる専門家の多くは、また回復に当たるダルクなどの自助グループにとっては、一に病気、二に犯罪と捉えたいと考えています。もし、一に犯罪としてしまえば、乱用を止めたくて治療を求めてきた患者を警察に通報することとなり、治療を求める乱用者が減り、その結果乱用がさらに酷くなり、また拡大すると考えるからです。これには、一理あると思います。

その一方で、薬物の取り締まりに当たる警察や麻薬取締官にとっては、一に犯罪、二に病気です。乱用者は、日本の法率に反した行為をしているわけですが、まずは、その罪を償い、それとともに依存症の治療に当たるべきだという考え方です。当然、これにも一理あります。

 

それでは、友人や家族の薬物乱用に気づいた場合、どうしたらいいのでしょうか。まずは、警察や麻薬取締官に通報すべきなのか、それとも、専門の医療機関やダルクなどの回復支援の次女グループへの相談なのか。

 

私の場合を書いていきます。

私は、家族や友人から乱用者の相談を受けた場合、まずは、単なる乱用者なのか、それとも売人なのかを確認します。乱用者が、すでに売人になっている場合は、すぐに警察や麻薬取締官に通報することを勧めます。他の人の命や人生に多大な影響を与える薬物を他人に広めている場合は、その罪を償わせることと、その背景、暴力団にまで至る密売ルートを摘発することにより、乱用の拡大を抑えようとします。それと同時に、専門家や自助グループに結びつけ、罪を償った後の依存症の治療へと結びつけます。

 

また、乱用者本人が、止めたいと望んでいる場合は、ダルクなどの自助グループを紹介し、また状況によっては、専門医療機関を紹介し、依存症の治療、回復へと結びつけます。ただ、その後も乱用を繰り返す場合は、関係司法機関への通報をします。なぜなら、一番大切なのは、乱用者の命だからです。

 

どうぞ、私に家族や友人の薬物乱用で相談してくる人たちは、これを参考にしてください。ただし、医療機関でも、信用できるスキルを持った医療機関は少なく、自助グループの中にも、民間の回復のための営利的グループの中にも、問題を感じるものが少なくありません。どうぞ、私に相談してください。私の方から、紹介することができます。信頼できる機関や、病院、自助グループを。